
ブルーラインの営業距離は40キロを超える。これは日本一に違いないと思ったら、微妙に大江戸線の方が長いらしい。乗り通すと1時間10分、横浜の大きさ広さを実感しつつ、この路線を乗って呑む。

旅のスタートは終点あざみ野から。ここは高度経済成長時に東急電鉄が開発した田園都市、都心にも横浜中心部にもアクセス良好だから人気のベットタウンでしょう。

グリーンラインと並行を始めるセンター北駅、モザイクモール港北から突き出した大観覧車がランドマークになっている。きっと富士山の眺めは最高だろう。

センター南を発つと進行方向を東に変える。マンション群の中を爆走する6両編成は4000形、2022年のデビューと言うから呑み人には初めましてだ。

大勢の降車客に押し出されるように降りてしまったのは三ツ沢上町駅、HAMABLUEの波に流されるように歩くこと20分、行き着いた先は三ツ沢球技場。地元のファンにはちょっとしたお祭りって感じ、あとで調べたらこの日のゲームはFC横浜の大勝、盛り上がりましたね。

横浜〜桜木町〜関内、横浜の中心部なのに思ったほど乗降客は多くない。根岸線やみなとみらい線が並行しているからだろうか。ともあれ関内駅で途中下車。

地上に這い出ると目の前に「ハマスタ」が現れる。街と公園と一体になったスタジアムのポテンシャルは大きいと思う。ここに来ること自体がファッションじゃない?月末のオーストラリア代表とのゲームが待ち遠しい。

煉瓦建築の官公庁を眺めながらみなと大通りを行くと象の鼻パーク、賑わっているね。白い帆を広げたインターコンチに背を向けて山下公園まで散歩。艦齢を重ねても北太平洋航路のエースは優雅だ。

関内駅から90度の転針で南西を向いた6両編成は、暫くは大岡川に沿って進む。飛び乗ったのは快速だから上大岡まで止まらない。かと言って追い抜きがある訳ではないのだけれど。

さらに一つ先の停車駅上永谷で途中下車、ここには青い6両編成たちの塒がある。夕陽に照らされた車両基地には、休日ダイヤだからだろうか、ずいぶん車両の戻りが早いような気がする。もうじき「サザエさん」の時間だ。

駅毎にひとり二人と乗客を減らして、閑散とした6両編成はこの路線の起点湘南台に終着する。小田急線・相鉄線と連絡し、慶應や日大のキャンパスもあるから賑わう時間もあるのだろう。

東口と西口とどちらがメインか分からないけど、取り敢えず完乗した証拠に西口に出てみた。すっかり暮れた駅前ロータリーは、すっかり「あつまれ神奈中の森」になっている。

今宵の一杯の酒場を探して、関内駅まで戻って伊勢佐木町商店街を歩いてみる。イセザキ・モールのイルミネーションはもちろんブルーライト。磯丸水産の角を右に折れるとめざす「大衆酒場 七星」がある。一筋先はコリアンタウンの入口だ。

御多分に洩れずベイスターズ一色の店で先ずは “一番搾り生”、今日は4月並みの陽気だから生ビールが沁みる。そしてジョッキに描かれた『㐂』の文字がクールだ。アテは “キノコしょうゆ漬け”、ちょっと飲みが続いているからこんな優しい小鉢がいい。

この店はタパス的な小皿料理でリーズナブルな設定だから、ひとり呑みには嬉しいメニューだと思う。ふた皿目は “たこの唐揚げ” ね、ジョッキはめずらしく “生レモンサワー”、唐揚げの脂をサッと流して美味しい。

きのこ、トマト、アスパラを豚で巻いてもらう。ジューシーなやつに黒胡椒を振って、辛味噌を付けていただく。そして酒は “酔鯨 WHALE STAR”、キレのある純米吟醸は脂がのっている料理に相性がいい。何よりこのラベルが粋でしょう「大洋ホエールズ」を知る人は少なくなったと思うけど。

っで〆は “焼き鳥丼”、香ばしく焼けた鶏モモとネギに刻み葱を背負わせて美味しい。濃厚なタレが垂れたご飯も堪らない。いやぁご馳走さまでした。また伺いたいお店です。

たぶん7年ぶりのブルーライン、青に囲まれての乗り直し呑み直しは、ご機嫌なお店に巡り合って良き旅でした。それにしても地下鉄の40キロは長いなぁ。
横浜市営地下鉄ブルーライン あざみ野〜湘南台 40.4km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
こわれたピアノ / 中原めいこ 1986